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第2回:社員の"生きがい"はどこから生まれるのか? | 中小企業未来塾

第2回:社員の”生きがい”は
どこから生まれるのか?

前回の復習:あなたの会社は大丈夫ですか?

前回、私たちは「甲斐」という言葉に込められた三つの意味について学びました。覚えていらっしゃるでしょうか?

  1. 値打ち・worth(価値を感じること)
  2. 効果・effect(成果や手ごたえがあること)
  3. 応答・反響(認められ、響き合えること)

ここで、経営者の皆さまに三つの質問をしてみたいと思います。

「あなたの会社の社員さんは、仕事にやりがいを感じていますか?」

これは①の「値打ち」に関わる問いです。「この仕事には意味がある」「この会社で働くことに価値がある」と社員さんが感じているかどうか。

「あなたの会社の社員さんは、仕事に手ごたえを感じていますか?」

これは②の「効果」に関わる問いです。「努力が実った」「自分の成長を実感できた」という手ごたえを感じているかどうか。

「あなたの会社には、響き合う社風がありますか?」

これは③の「応答・反響」に関わる問いです。社員同士、また社員とお客様の間で「ありがとう」「助かったよ」といった温かい交流があるかどうか。

この三つすべてに「はい」と答えられる会社は、きっと社員の皆さんが生き生きと働いていることでしょう。しかし、もし一つでも「う〜ん…」と首をかしげてしまうなら、今回の話がきっと役に立つはずです。

生きがいはどこから生まれるのか?

二宮厚美先生の研究によると、人間の生きがいには三つの源泉があります。これは働く人すべてに共通する、とても大切な発見です。

【第一の源泉】豊かな目標・目的の追求(「行きがい」)

人は将来に向かって目標を持ち、それを追求する過程で生きがいを感じます。二宮先生はこれを「行きがい」と表現しました。

例えば、メロン農家の話があります。ある農家の方が「口にとろけるようなメロンを作ってやろう」という目標を心に抱きます。土作りから苗作り、水やりから雑草取りまで、丹精込めて畑に向かいます。そして見事なメロンができあがった時、「苦労のしがいがあった」「働きがいがあった」という実感が湧き起こる――これが第一の源泉です。

会社でも同じことが言えます。

「来月までにこの新商品を完成させよう」「お客様満足度を向上させよう」といった目標があり、それに向かって努力し、達成できた時の充実感。これが働く人の生きがいの大きな源泉になります。

【第二の源泉】共感・応答関係に包まれた存在感(「居がい」)

人は自分の存在がまわりの人に認められ、必要とされている時に生きがいを感じます。二宮先生はこれを「居がい」と呼びました。

これには二つの側面があります。

能動的な自己表現:自分の能力を発揮し、出番を与えられること

受動的な自己確証:まわりの人から認められ、評価されること

例えば、野球チームでは、投手は投手として、外野手は外野手として、それぞれ固有の役割と出番があります。チーム全員が各々の持ち場で力を発揮し、仲間から認められる。そこに「やりがい」が生まれます。

職場でも、この「居がい」は極めて重要です。

「君がいなければ、この案件は成功しなかった」「あなたのアイデアが画期的だった」――こうした言葉が行き交う職場では、社員一人ひとりが「自分はここに必要な存在なんだ」という実感を持てます。

【第三の源泉】モノ・コトに対する評価能力の向上

これは少し難しい概念ですが、とても大切です。同じ映画を観ても、音楽の知識がある人とない人では感動の深さが違います。同じ料理を食べても、その背景を知っている人のほうがより深く味わえます。

つまり、評価する能力が高まるほど、仕事や生活への「甲斐」も深まるということです。

会社においては、社員の皆さんが仕事の意味や価値を深く理解できるようになること、お客様のニーズを的確に把握できるようになること、技術や商品の良さを適切に評価できるようになること――これらすべてが働きがいの向上につながります。

中小企業だからこそできる「三つの源泉」の活用

大企業と比べて、中小企業には独特の強みがあります。それは社員一人ひとりとの距離が近いことです。

第一の源泉「目標追求」については、社員と経営者が膝を突き合わせて「今期の目標」「個人の成長目標」を語り合えます。

第二の源泉「存在感」については、「○○さんのおかげで」「君の頑張りで」といった言葉を直接かけることができます。

第三の源泉「評価能力」については、社員研修や勉強会を通じて、仕事の意味や価値を共有できます。

まとめ:生きがいの三つの源泉を社員教育に活かす

二宮先生が発見した「生きがいの三つの源泉」は、社員教育や組織風土づくりの重要なキーワードです。

  1.  目標を共有し、達成の喜びを分かち合う風土
  2. 一人ひとりの存在価値を認め合う関係性
  3. 仕事の意味と価値を深く理解できる学習環境

この三つが揃った時、社員の皆さんは心の底から「この会社で働いてよかった」と感じられるはずです。

次回は、これらの生き甲斐の源泉をどのように活かすのかを、具体例に基づいてもう少し理解を深めておきたいと思います。

あなたの会社の社員さんの笑顔のために、ぜひ次回もお読みください!

監修者

宮澤 博

税理士・行政書士
税理士法人共同会計社 代表社員税理士
行政書士法人リーガルイースト 代表社員行政書士

長野県出身。お客様のご相談に乗って36年余り。法人や個人を問わず、ご相談には親身に寄り添い、 お客様の人生の将来を見据えた最適な解決策をご提案してきました。長年積み重ねてきた経験とノウハウを活かした手法は、 他に類例のないものと他士業からも一目置くほど。皆様が安心して暮らせるようお役に立ちます。

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